2001年8月15日作成

初冬の風物詩「藁ぐろ」


 藁(わら)ぐろは、脱穀を終わった稲束を20束前後を更に束ねて縦に並べ、それに稲束で屋根を葺いたものである。稲藁を大事に使った昭和30年代、岡山・県南の水田では、ごくありふれた風景だった。
 当時は鎌や稲刈り機で、刈り取った稲を直径20センチぐらいの大きさに藁で結束。適度に干した後、籾を脱穀。農家は残った藁を保存しながら、冬の農閑期に藁縄、俵、むしろなどに加工した他、牛小屋の敷き藁やたい肥に利用していた。
 子供たちにとっては、この藁ぐろは格好の遊び場だった。藁束の隙間ををこじ開けて潜り込めば、中は寒さ知らず。蒸したサツマイモや駄菓子を持ちこんで夕暮れまで遊びたわむれた。鬼ごっこや缶けりの時には、またとない隠れ場所でもあった。ただ、あまり乱暴に出入りすると、束が解けてしまうため、持ち主の叔父さんに叱られたことも、少なくなかった。
 コンバインが、導入されてからは、そんな光景も減り続け、今ではほとんど見かけなくなった。もっとも、今藁ぐろがあっても、田んぼの中を駆けずり回るような子供は、いないにいちがいない。時代の変化もさることながら、塾通いやファミコン遊びと、子供たちの興味が大きな様変わりを見せているからだ。

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