2001年8月14日更新
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 肌を射すような寒さ厳しい冬を迎えると、毎朝、裏庭でわら束5把で焚き火をし、暖をとってから学校へ、あるいは仕事に行くのが常だった。めらめらと燃え上がる炎で、顔がほてり、寒さが一気に吹き飛んでいく。火の周りの土は霜柱がとけ、やがて湯気を立て始める。「今日はええ天気になりそうじゃ。槙を切りだしとこうか」「フロたき用の薪も少なくなっとるよ」などと言った会話が弾む。時折、脱穀できずに残っていた籾殻がパチッと音をたてて弾ける。おじいさんは、地下足袋を火にかざして温め、私は火を背にして、体全体に暖かさを吸収して「さあ、いくか」と1日のスタートをきる。
 これが日曜日ともなると、残り火に粭をかけ、サツマイモを二、三個ほうり込んでおくと、十分余りで実に風味豊かな焼きイモが出来あがる。
冬の朝は焚き火で始まる